Morceau de Paradisより | 偽サイトに関するお知らせ

2025/08/08 00:00

シチリア島モディカにあるドルチェリア創業者の心温まる寓話

イタリア・シチリア島の南東に位置するバロックの町、モディカ。

その町角に150年以上前から佇む老舗の菓子工房がMorceau de Paradisでも取扱のあるAntica Dolceria Bonajuto(アンティカ・ドルチェリア・ボナイユート)です。


このドルチェリアの創業者、フランチェスコ・ボナイユート—地元では親しみを込めて“Don Ciccio(ドン・チッチョ)”と呼ばれていました。
彼の人柄と精神を象徴するように、モディカには今もなお語り継がれる物語があります・・・・・


◆かつての誇りを胸に、窓辺で「木のビスケット」を食べるふりをした侯爵◆

その物語の主人公はMarquis del Burgio(マルキス・デル・ブルジオ)という元貴族。かつては貴族として名を馳せたものの、財を失い、ひっそりと暮らすことになったけれど、貴族としての誇りを捨てきれずに毎日ある“演技”を続けていました。

それは削った木で作った「木のビスケット」を手に、窓辺でをそれを食べるふりをするというもの。

通りを歩く人々の目に映る姿が「まだ貴族としての優雅な生活を送っているように」見えるように、彼はそうして日々をすごしていたのです。

Don Ciccioが送った本物のビスケットと、温かいチョコレート◆
この様子を見かねたDon Ciccio Bonajutoは、ある日、そっと使いの者を通じてこう伝えました。

「木ではなく、本物のビスケットを召し上がってください。」

届けられたのは、Bonajutoの工房で焼き上げたベルリングォッツィというリング型のビスケットと、香り立つホットチョコレート。
それを受け取った侯爵は、あまりの嬉しさにほとんど気を失いそうになったとも語られています。

◆物語の真意を超えて◆
このお話は、モディカの作家/ジャーナリストでもあったRaffaele Poidomani(ラッファエレ・ポイドマーニ)による創作短編として知られています。事実からインスピレーションを得て作られたお話かどうかはわかりませんが、Bonajutoという人が優しく誠実で、ブランドもどれだけ地域と人々に愛されていたかを象徴するような寓話ですね。

◆お菓子が届けるものは、甘さだけではありません◆
Morceau de ParadisでAntica Dolceria Bonajutoのお菓子を取り扱う理由は、その味わいの素晴らしさだけではありません。

味わってみると、この物語に象徴されるような、Bonajutoの人への眼差しや温かさが伝わり、心までやさしく満たされるような気持ちになるのです。

Morceau de Paradisでは、単なるお菓子や食品以上の、何かを感じさせるものを選び、記憶に残るひとときをお届けしたいと思っています。